50曲以上をマスタリングしました。意識した3つのポイント

ゲーム向けに50曲以上マスタリングしました。

先日Magesさんからリリースされたダンストリップの音楽を担当させていただきました。クラシック音楽を含めると50曲以上制作しました。

作曲するのもなかなかの長丁場だったのですが、

「音圧を揃えてほしい」

という一言により、今まで本格的にはやったことのなかったマスタリングをすることになったので、そこで意識した点や具体的なプラグインなどをまとめてみようかなと思います。

マスタリングですること

マスタリングの定義はけっこう広義的にはいろいろなものが含まれてくるのが昨今の雰囲気だと思うのですが、ここでは「最終的なフォーマットに合わせて2mixを出力する」ということにします。具体的にすることは

  • 全楽曲の音圧を上げる
  • 上げたうえで揃える
  • ドンシャリ感を合わせてヌケ感を合わせる
  • 左右の広がりを揃える

だいたいこんなところかなと思います。最終的なエンコードはゲームに組み込んでくれるサウンドエンジニアさんがやってくれたと思うので、自分の方では.wavで出力しました。

ミックスの段階でやること

今回はミックスから自分でやりました。なので、マスタリングでできることはマスタリングでやることにして、ミックスでは最低限の処理にしました。

けっこう単品の楽曲だったり、2,3曲のプロジェクトだったりするとミックスの段階でコンプとかリミッターに突っ込むこともあるのですが、いかんせん曲数が曲数だったので、そういったことはせずに音作りの範疇でのコンプ、リミッターにしていきます。

具体的には、StreoOutに挿すマルチバンドコンプでは、楽曲のスピード感の調整に。リミッターではキックやメロディを取っている楽器の潰し具合の調整で使う感じです。

マスタリングへ、基準となる曲を決める

マスタリングではStudioOne2のプロジェクトモードの方を使って作業していきます。最近Ver.4が発表されましたね。もし良い機能があればアップグレードしようかなと思いますが。

とりあえずずらーっとStudioOneに流し込んだらマスタリングの基準となる曲を決めます。ある一曲の音圧や左右の広がり、ドンシャリ感を決めこんで、それに合わせて他の楽曲も処理していく形にします。

今回は一番再生されそうな「メニュー画面・昼」を基準にしました。

使うプラグイン

今回使ったプラグインはこの子達

Kramer Tape

Tapeシミュレータ。テープっぽくするというよりかはこれを挿したときに出る高域あたりの変化が好きだったのでほとんどのトラックに使いました。「Noise」のタブは基本的に0で、テープっぽいノイズは切って使いました。

Multiband Dynamics

StudioOne純正のマルチバンドコンプ。各帯域ごとにミックスで潰したりなかったところを潰していきます。ミックスの段階よりかはすこしマイルド目にかけて行きます。

SSL X-EQ

Duendeのものです。上段のマルチバンドコンプで変化した音を修正したり、全体的にざっくりとドンシャリ感を調整するために挿してます。

BX_Digital V2

左右の広がりを調整したり、MS処理でメロディの抜けを良くしたり、左右の低域を切ったりしました。

Invisible Limitter

最終的な音圧を決めるリミッターですね。今回はクラシック曲も多くあったので、ドラムやベースが入った楽曲はそこまで突っ込まず、クラシック曲が追いつける範囲でのリミッティングにしました。

これらのプラグインで最初に書いた「マスタリングですること」はクリアできるはずです。

やってみた感じたポイント

  1. メーターを見る
  2. 適度に耳を休ませる
  3. 参考曲を一つ決めておく

1.メーターを見る

大量の曲を聴き比べて処理していくことになるので、耳がアホになりがちです。時間をあけて聞き直してみるとけっこう突っ込んだ処理をしていたなと感じることもちらほら。定性的に判断するためにも、各種メーターを見て、どのくらいの数値に落とし込んでいくかを考えながらやるといいでしょう。StudioOneのメーターと合わせてRMEのメーターもよく活用しました。

2.適度に耳を休ませる

耳が疲れてくるとEQとかけっこう雑になってきてしまうので、時間で区切ってもいいですし、曲数で区切ってもいいかもしれません。切りの良いところですこしぼけーっとする時間を設けるのが大事かと思います。

3.参考曲を決めておく

自分の曲がかっこよく聴こえるようにという処理をするのはもちろんですが、先人たちの作品を真似することも大切です。今回は「Splatoon」や「グランブルーファンタジー」などの割と最近のゲーム音楽を参考にして、低域の出し方や左右の広がり。また、耳のリセットに使ったりしました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?マスタリングって何してるかよくわからないような部分もあると思いますが、自分はこんな流れでやってみました。何事も挑戦挑戦…ということで。

書籍もいくつか読んでみたのですが、殆どが音圧アップの方法!みたいな感じなんですよね。それよりも大切なのは全体のバランスを決めて2mixに落とすことだと思います。

一応最後に自分が読んだ本、貼っておきます。

ではでは

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