人生で意外とやってこなかった作詞作曲編曲
少し前になるのですが、遊技機(パチンコとか)の案件で、一番熱いときにかかる歌ものを制作しました。そのときの感想とか制作中に心がけたところをまとめていきます。
今までバンドをいくつか組んだり、お仕事で歌ものを作曲したりしましたが、作詞も編曲もやるというのはありませんでした。バンド時代は作詞はボーカルがやったり、お仕事では作詞家さんや脚本家さんが書いたりしていたのですべて自分で完結するというのは初めてで、今までにない制作になりました。
まず作曲(メロディ)
今回は一番あついリーチのときにかかる音楽を書きました。パチンコやパチスロを打ったことがないのでなかなかイメージしにくかったのですが、発注メールをよく読んでどういうのが求められているのかを考えながら作っていきました。
自分は基本的に鼻歌とか頭のなかでメロディを考えて、ある程度固まったらiPhoneのボイスメモにピアノかギターでざっくりメモリます。
ピアノやギターでメロディを作るとけっこう手癖に引っ張られたメロディになってしまいがちなので、基本的にイメージが固まるまで楽器を持たないようにしています。
逆に、頭の中が自分のメロディでいっぱいのときは楽器を持ってメロディを考えたりします。
この段階でメロディと一緒に歌詞が出てきたらなんとなく頭の片隅においておきます。忘れてしまうこともあるのですが「忘れてしまう程度の歌詞だった」ということで気にしないでおきます。笑
編曲へ
メロディがだいたい決まったらDAWをたちあげて編曲をしつつメロディを固めていきます。編曲する順番としては
- サビ
- Aメロ
- Bメロ
- イントロ
っていう順番が多いですかね。曲の雰囲気とかにもよるんですけど、最初と最後の雰囲気を決めてからそれをつなぐ感じでBメロとイントロをつけていく感じです。
DAW上の作業としては
- ピアノでコード付きでメロディをリアルタイム入力
- シンセでメロディをうちこむ
- ドラム
- ギター
- ベース
- その他
という順番がおおいです。ドラムパターンを決めて、ギターでコードを決めて、ベースでグルーブ感を決める、という感じです。ほぼほぼすべてギターとベースは自分で弾きます。ベースはたまにTrillianを使います。今回は弾きました。
今回「その他」の楽器にはピアノとシンセが少し、という構成でした。シンセの音色づくりはプリセットから自分のイメージに近づけるときと、1からつくるときがあります。前者のメリットとしては、もしプリセットにいいのがあれば時間が短縮できること。後者のメリットとしてはCCやLFOなど自分の意図したように最初から組めるところですかね。
作詞
編曲が終わったものを聞きながら歌詞を書きます。歌詞はAメロから書くことが多いです。今回は台のストーリーが資料にあったので、それを読んでなんとなくイメージを膨らませていって歌っぽくなるようにまとめていきました。単純にストーリーをなぞれば一応それも歌詞になりますが、やっぱり「歌」として聴かせるために多少工夫していきます。個人的にですが、こういった原作のある歌の歌詞は、「原作のストーリーを匂わせつつ普遍化する」作業だと思ってます。聞き手が「この部分ってこのシーンのことだよね?」と妄想してしまうような歌詞にする感じですね。
メロディと合わせたときにボーカルさんが歌いやすいように母音に気をつけたり、早口言葉みたいな難しい発音が連続しないように気をつけます。
一旦提出、フル尺制作
と、こんな感じで1コーラス一番だけのものを先方に聞いてもらいました。そこで、いくつかリクエストがあったり個人的にのちのち直したくなった部分をまとめつつフル尺にしていきます。
基本的に、メロディを大幅に変更するようなリクエストはなく、編曲に関するリクエストと作詞に関するリクエストです。
フル尺のアレンジ
曲の構成を決めて、1コーラス制作した時のを元に2番、ラスサビを作っていきます。自分はざっくり雰囲気をみたいのでコピペすることが多いです。
- 1番をまるまるコピペして2番に
- サビだけもう一度コピペしてラスサビに
- 2番のアレンジを決める
- ラスサビのアレンジを決める
- 間奏(1サビ後、2サビ後)とアウトロを決める
手順としてはこんなかんじです。コピペして聞いてみて、既聴感が強かった部分のアレンジを変更したり、数箇所ブレイクを作ったりしてすこしずつ変えていきます。間奏は、最初の1コーラスを作ったときと同様に、2番やラスサビとうまくつながるように考えていきます。
フル尺の歌詞
尺が決まったら歌詞を書いていきます。歌詞はサビのフレーズの歌いまわしを似せたり、言葉を変えたりしつつ、ストーリーが進んでいくように書きました。文字数は420くらい。標準的ですかね?ちなみに歌詞はだいたい紙にペン、というアナログスタイルで書いてます。
完成!
と、こんな流れで完成です。フル尺にしたあとは細かいアレンジや歌詞の調整があったりする感じでした。その後、ボーカルレコーディング、ギターとベースの清書、TDという感じですね。
余談:1人ですべて担当するメリットとデメリット
全部1人でやると、1人の要素しか入ってこないので、曲が単調になりがちな気がしました。作ってる側はけっこう自分のやりたいように気楽にできるので良かったんですけどね。。。作詞や編曲に別の人が入るといろいろな人の要素が入るので複雑な曲作りになる感じがします。1人だと一色の絵の具で絵を描いているような…そんなイメージに近いかもしれません。あと、作ってるときは自分の曲を聞きまくることになるのであまり長丁場になると自分の曲に飽き始めるというのも少しつらいかもしれません。
・メリット
- 全部自分がやるので、フットワークが軽い。何かを待つ必要がない。
- メロディに合わせてやりたい作詞、編曲がすべて実現する。
・デメリット
- 自分以外の要素が入ってこないのですごく面白い化学反応的な曲の進展は起きづらい。
- 何度も聞くことになるので何がかっこいいのかわからなくなる、飽きる
と、こんな感じですかね。もっと色んな曲1人で作り上げていってるプロデューサーの方の考えとかも聞いてみたいですね。